2011/02/11

2/11 〜dhk講師ゼミ ヌースフィットの毛髪科学

2月11日代々木の全理連ビルにおいてdhk講師ゼミを行った。

髪に関してお客様だけではなく、プロの私達ですら勘違いしてしまっている『毛髪科学の神話』がある

例)
ラメラ構造は強力で水を捉えて放さない
セラミドが大量の水分を保持
水でパーマがかかる。キューティクルが再生する
新還元剤スピエラは円盤状だから毛髪に入りやすい
ポリマーで処理すれば毛髪は200度でも大丈夫

などなど、にわかに信じていたが実際にはかんちがいであった、という事がたくさんある。これらの事に関して科学の目から検証、結果を出している会社『ヌースフィット』の代表取締役の亀ヶ森 統 先生により興味深いお話を伺う事が出来た。

亀ヶ森氏によると傷んだ髪が治る、というのはせいぜい1割から2割が限界。つまりは受けたダメージはほぼ回復しないと考えるべきだ、との事でした。
そしてパーマやカラーの施術の際、トリートメントを使う事によって擬似的に回復したように見えるが実際はダメージを与えてしまっている、という事を技術者が認識する事から始める事が大切だ、という事。

ではどうすればよいのか?
ダメージを与える要因を減らし、結果を出す事。パーマであればその為に必要な行程『クリープ』が有効であり、ダメージを与える要因『過膨潤』を極力減らす事。そしてこれらを上手く使い『ズラシ』をしていく事によって、綺麗に、ダメージ少なく、長持ちさせるという事を目的とした考えを軸にする、という事が大切になってくる。これらの事を海苔巻きや南京玉すだれに例えて楽しく、そして分かりやすく解説して頂いた。

また、これらの軸を中心にして考えだされた薬剤『FMCB』により過膨潤させずにフィブリルだけを先に切る事ができマトリックスを低還元でかける事ができる新しい薬剤を紹介して頂いた。

毛髪科学の進歩とともに、私達のパーマに対する仕事に考え方を変えていかなければならない、という意識を持たされた講習内容でした。
(通信:志賀淳吾)