2011/01/17

1月17日 特別講演会 中西太 氏『人を活かす』

全国総会終了後、新春特別講演として往年の名プレイヤー中西太氏(元西鉄ライオンズ監督・球界ナンバーワンの打撃コーチ)をお招きして『人を活かす』と題した講演が行われた。
会場一杯の聴衆が立位し拍手の中を中西氏登壇。当時のニュース映像が流れ、プロフィールの紹介。佐藤局長・里村綾講師の質問に答える形で講演が始まった。
小さい頃は母が行商にでて貧しい中、よくぞ食事や学問をさせてくれた。そんな母の口ぐせは「人に迷惑をかけるな」だった。早稲田大学に進学が決まりかけていたが、西鉄ライオンズ入団のきっかけは当時の三原監督。『人さまの推薦、導きで人生は変わる』(人生他動的)と今思う。
プロに入ってやっていけるか不安で一杯だったが、三原監督の人を育てながら組織をつくるのおかげで新人王が取れた。翌シーズンは弱点をついてくるのが明確なので、『人に負けるなの気持ち。目標に向かって進むのがチームワーク』一生懸命練習した。普通にやって3割は打てない。広角に打つ事を体得し、その結果が後の伝説のホームランにとつながったと思う。
若い人の長所を伸ばすには自信を持たせる。しかし自分で考えさせる。どうしてもダメな時にはヒントを与える。物事の原点は変わらない。その原点を教える。
練習・訓練するのは当たり前。仲間にライバルに負けるな!そんな中でやってこらえたのも仲間に、ファンに励まされたのが一番。闘争心がわいた。しかし実るほど頭を垂れる稲穂のように謙虚である事も重要である。
いろいろなチームでヘッドコーチをやらせてもらったが、役割は上手くいかない人の躾役。人の長所をみて育てる事。故仰木監督とコンビのオリックス時代。阪神・淡路大震災(1995年)のシーズン「かんばろうKOBE」の掛け声の基。イチロー他の活躍で日本一。充実した三年間だった。

野球の若い人を育てるのは理容のみなさんと一緒。色紙に書く『何苦礎/なにくそ』・・・何事も苦しむ事が礎となる。『日々新たなり』・・・今日という日は、これからの人生「最初の日」きりかえて前に進む。
「自分の城」をしっかり守り、人を育てる。結果を急ぐな。若い人の成長を手助けしよう。

・凡庸な教師は唯しゃべるだけ
・良い教師は説明する。
・すぐれた教師は自らやって見せる。
・そして偉大な教師は心に火をつける。
(中西メモより)

中西氏のお話に開始直後は時折笑い声が上がり、和やかな雰囲気でしたが、徐々に一同は内容に引き込まれ、聞き洩らせない雰囲気の会場となりました。最後は大拍手にて終了しました。
(通信:白田耕一)